「思い出横丁」の思い出 どこまでも昭和なこの街の魅力

 

今年の4月からNHKで始まったアニメ「英国一家、日本を食べる(Sushi and Beyond)」は面白い番組ですが、第1回目はなんと新宿西口のJRガードの手前にある「思い出横丁」でした。外国人がいきなりディープな昭和の世界を垣間見て仰天するストーリーです。

この「思い出横丁」、正式には「新宿西口商店街」というらしいですが、私の世代ではむしろ「ションベン横丁」という下品な名前で知られています。終戦直後にこのあたりにできた闇市がそのルーツだという説もあります。1999年の火災により、その面影の多くが失われたのは残念でしたが、今年の3月に訪れると、私が昔よくお世話になった何軒かのお店はまだありました。また、好奇心旺盛な外国人観光客も多かったのが印象的でした。なお、今はHPもあります。

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1999年の火災事故です。

 

私、グルメの評価は、味、サービス、雰囲気の3つを合わせて行っています。この横丁にある店と同じくらいの味、サービス、また値段の店は他にいくらでもあります。 それでもこの横丁の店に通うのは、やはりその街の独特な雰囲気に惹かれるからです。

今日は、私が昔からよく訪れ、昭和の雰囲気を味わう上で外れの無い店を何件かご紹介します。

 

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 つるかめ食堂」 リリー・フランキーの小説「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」で、主人公が東京に出てきたオカンにご馳走しようと連れて行った店です。「ソイ(大豆)丼」とか、「元気丼」とか、安くてボリュームのあるメニューが売りです。私、学生時代や若いサラリーマン時代によくお世話になりました。今年3月に、ヨドバシカメラで念願の一眼レフカメラを手に入れたついでに、久々にランチで寄りましたが、その味は変わっていませんでした。でも、年をとったせいか、量的には重たかったです。

 

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「ラーメン若月」 さっぱり系しょうゆ味の手打ち麺ラーメン(メンマと自家製チャーシュー、海苔入り)と昔ながらの甘辛ソースの鉄板焼きそばが売りです。自家製餃子もあります。横丁で一杯飲んだ後の締めでよく行きました。創業50年、変わらぬ(いまいちの)味です。野外の店なので冬は寒いですが、それがかえって戦後の昭和の雰囲気を醸し出します。
 

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居酒屋は沢山ありますが、炭火を使う焼き鳥の店であれば、材料も新鮮で値段も安く、どの店も大きな外れはありません。

 

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「但馬屋(たじまや)珈琲店」 小田急デパート側の外れにあるレトロな雰囲気の喫茶店です。自家焙煎した豆を、ネルドリップで一杯ずつ丁寧に入れるコーヒーは、お値段は少し高めですが、香りも味もスタバやドトールとは明らかに違います。最近、日本の誇るべきコーヒー文化を取り入れたような米国のブルーボトルコーヒーが上陸し、入店するために外で長時間並んで待っている人がいますが、この喫茶店に来れば同じようなクオリティーのコーヒーをもっとゆっくりと楽しめます。

 

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ところで、先日の日曜日、小説「ある日曜日(Um Dia de Domingo)」の第8話をアップしました。そこにも「思い出横丁」が登場します。よろしければ、覗いてみてください。

 

 

 

 

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