• 2015.7.31
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奥湯河原温泉「石葉」純和風のおもてなしとミシュラン二つ星の懐石料理の究極の合体

 
今年の夏のバケーションは、パナマ↔スペイン↔日本の駆け足旅行です。

日本に帰ったら、昨年と同様に、奥湯河原温泉にある大人の隠れ家宿で癒されたいと思っていました。圏央道が東名・小田原厚木道路と繋がったおかげで、平日の昼であれば、東京郊外の私の自宅から車で2時間弱で到着です。

ちなみに、奥湯河原温泉にある旅館のうち、海石榴(つばき)秀邑(ほむら)石葉(せきよう)などはレベル(つまり料金)が一番上、昨年訪問した瑞月(ずいげつ)などはワンランク下ですが、いずれの宿にも下記の共通点があります。

♥日本的なおもてなし
♥純和風の非日常的な雰囲気
♥小さいながらも清潔で気持ちのいい温泉風呂
♥熟練の料理長による正統派懐石料理

 

今年はなぜ石葉を選らんだかというと、今年5月に発表された「ミシュランガイド横浜・川崎・湘南2015」でこの旅館の料理が二つ星を獲得したからです(私、ミシュランの評価を高く「評価」しています)。日本のおもてなしとミシュラン認定の料理が合体すれば、ここはまさに世界最高クラスの宿に違いないとの期待をもって訪問しました。

 

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質素で純和風のスタイルは期待通りです。

 

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静寂の中にも、苔むした庭から水の音や小鳥のさえずりが聞こえて、非日常的な雰囲気を醸し出してくれます。

 

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女将さんが生菓子と冷たい明日葉(あしたば)茶でもてなしてくれます。ホッと一息です。なお、気になるこの旅館の宿泊料ですが、平日で、内風呂なしの部屋、特別料理も注文しないため、このクラスとしてはほぼ最低の一人一泊300ドル弱です。以下に述べますが、部屋の外の眺めがいい風呂の方がくつろげるし、料理も安定感のあるスタンダードコースで質量ともに十分です。また、このクラスの宿になると、安い部屋に泊まってもサービスの質が落ちることは絶対にありません。なお、ミシュラン星付きなど高級な場所をリーズナブルな値段で利用するコツについてはこちらもご覧ください。

 

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渡り廊下を通り、温泉風呂に向かいます。この雰囲気も期待通りです。

 

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小さいながらも清潔で眺めがよく、極上の癒し空間です。旅館の部屋数が少ない上に、内風呂を利用しているお客さんもいるためか、ほぼ満室にもかかわらず、貸し切り状態です。

 

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露天風呂はありますが、リゾートタイプの宿にあるようなサウナやジャクジーはありません。また、アメニティーも必要最低限のものだけ用意してあります。

 

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ここまでの施設やサービスは、湯河原のみならず全国にある温泉旅館でも体験できますが、夜になっていよいよ期待した懐石料理コースの出番です。この日は、たまたま隣の部屋が空いていたため、女将さんの計らいで、そちらで食事をとることになりました。着替えの服や荷物などが消えて生活感がなくなるので、まるでどこかの料亭の個室にいるような気分です。

担当の仲居さんが、様子を伺いながら、絶妙のタイミングで以下の11品を順番に運んでくれます。なお、各品の中身については、上記のお品書きに記載されていますので、興味のある方は、写真をクリックしてご覧ください。

 

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先付け 自家製食前酒(梅酒のカクテル)付きです。

 

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八寸

 

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お椀

 

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お造り

 

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ここからは旅館オススメ銘柄の原酒が料理の味を引き立ててくれます。

 

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焼き物

 

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冷鉢

 

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強肴

 

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止肴

 

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御飯

 

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水菓子

 

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甘味

 

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全11品を約2時間かけてじっくりと味わいました。どれも地元の旬の素材を活かした絶品でした。写真や文字では表現できませんが、料理人の心意気と旅館のスタッフの方の優しさが十分に伝わってきました。ジャンルを問わず、これまでの人生で食した最高のコース料理の一つでした。

 

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翌日も純和風の雰囲気の中を朝風呂に向かいます。昨夜の懐石料理コースは、中高年にとって質量ともに優しい内容で、心身ともに調子がよくなった気がします。

 

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静寂の中の非日常的な空間、風情があっていいですね。歩くだけで心が癒されます。

 

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女性用と男性用が入れ替わり、前日とは違う風呂場でしたが、こちらにも露天風呂が付いています。朝早いせいか、あるいは男性客が少ないせいか(こうした旅館は女性客が大部分です)、またもや貸し切り状態です。

 

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昨夜と同じく、担当の仲居さんが隣の部屋に朝食を用意してくれました。食事の間、宿泊部屋を片付けてくれます。平日は料金が安い上に、二つの部屋を利用させてもらえるなど、運がよかったです。

 

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ミシュランの調査員は、おそらく夜の懐石料理コースを評価したと思いますが、同じ板長による朝食のレベルもかなり高いです。その証拠に、この旅館の朝食メニューは全日空(ANA)のファースト・クラスでも採用されたそうです。でも、いくらファースト・クラスとはいえ、飛行機の狭い空間より、ここで食べた方がはるかに美味しいと思います。それにしてもこの朝食、白い御飯に漬物、アサリの味噌汁、アジの干物、しらす大根、卵焼き、さらに季節野菜の煮物など、写真で見る限りどこの旅館にもありそうな定番メニューですが、どの品も素材の旨さを活かした調理で、他の宿とは一味違います。シンプルな品で差をつけられる料理人の腕は本物と感じます。やはりミシュランの評価は信頼できます。

 

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朝食の後は、コーヒーとデザートがでます。ここはお客様にゆっくりとくつろいでもらうために、チェックインを14時、チェックアウトを11時に設定しているのも好感がもてます。二つの部屋を使わせてもらい、制限時間ギリギリまで滞在し、女将さんや仲居さん達に見送られながら、宿を後にしました。一泊二日の滞在で、投下したコスト(C)は大きかったですが、それが産み出したベネフィット(B)はCを十分に上回りました。(→よろしければこちらの記事もご参照願います。)

この旅館、施設は古くて質素だし、カラオケ、バーラウンジ、ゲームコーナーもないし、見かけが派手な料理や過剰なサービスも提供しません。この宿の売りは目に見える部分ではなく、おもてなしの精神や料理にこもった心など目に見えない部分です。そして、この目に見えない部分こそ、日本が観光立国になるための比較優位点の一つだと思います。

この夏は、日本流のおもてなしとミシュラン星付きの料理が合体した究極の宿で、身も心も本当にリラックスできました。来年の夏もきっと奥湯河原温泉大人の隠れ家に行きたいと思います。

 

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