「君の名は」の評価と感想(東野圭吾のミステリーの世界と共通するものを感じました。)

8月末から一般公開されて記録的なヒットとなっている新海誠監督のアニメーション映画「君の名は」を、帰国してから遅ればせながら自宅の最寄り駅のそばにあるTOHOシネマズで観てきました。今更ながらですが、予告編はこちらです。

さて、この映画についての私の総合的な評価と感想です。多くの人が認めている通り、映像の鮮やかさは見事です。しかしながら、ストーリーが凝っていて観ている間は作品の世界に引き込まれますが、観終わった後の感動や余韻に乏しい作品です。個人的には、いい意味でも悪い意味でも、東野圭吾のミステリー小説を読んだ時と同じような気分になりました。

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♥新宿や四ツ谷など、特に都会の街の風景がアニメで美しく描写されています。飛騨高山あたりとされている地方(田舎)の風景は、さほど印象に残りませんでした。ロック調の劇中音楽のボリュームが大きすぎて、疲れると感じる方も多いと思います(特に映画の出だしの部分)。

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♥ヒロイン(三葉)とヒーロー(瀧)の心が入れ替わるという設定は、東野圭吾の1999年の作品「秘密」を連想させます。なぜこの二人が入れ替わるのか、また、なぜ二人が3年間の時空を超えてスマホで情報交換できるのかは謎です。話は逸れますが、東野圭吾は2006年の「容疑者Xの献身」で直木賞を受賞しましたが、それまでに5年連続で候補になりながらも受賞を逃していました。受賞できなかった主な理由として、今は亡き選考委員の一人が、彼の小説には人物やその行動の動機等が十分に描かれず、作品としてのメッセージ性も不十分であると語っていたのを思い出しました。私のこの映画に対する感想は、この選考委員のコメントと同じです。

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♥大人も楽しめる長編アニメとしては久々のヒット作品ですが、やはり大御所宮崎駿の諸作品に比べると、何か物足りません。海外での上映スケジュールは不明ですが、ジブリ作品ほどの評価は期待できないと思います。

 

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