「アラカン男の独り言」日本の映画ファンはアカデミーの受賞作品を観れない ?

(開発途上国ながらもパナマは経済や文化のグローバル化の恩恵を十分に受けながら発展しています。)
2016年の第88回アカデミー賞の授賞式が2月28日(日曜日)に行われました(受賞の予想に関する記事はこちらです)。
作品賞は、私もダークホースとしてマークしていた「スポットライト 世紀のスクープ」でした。主演男優賞と監督賞は予想通り「レヴェナント 蘇りし者」のレオナルド・ディカプリオとアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥでした。そして、主演女優賞も私の予想通り「ルーム」のシアーシャ・ローナンでした。
まあ、予想が当たったかどうかはともかく、私が不思議に思うのは、これらの映画がパナマのような中米の開発途上国でも、アカデミー賞の授賞式よりかなり前に上映されているのに対し、日本ではどれも上映されていないことです。日本ではWOWOWが授賞式の様子を独占生中継していますが、日本の多くの映画ファンとしては、まだ観ていない映画については内容が分からないし、受賞の予想をする楽しみすらありません。
ちなみに、私がよく見る「IMDb」のサイトによれば、今回の一番の話題作である「レヴェナント 蘇りし者」は、米国では2015年12月16日にプレミアム公開され、アジア、ヨーロッパ、さらにパナマを含む中南米のほとんどの国で2月の第一週までに封切られています。なぜか世界中で日本だけが4月22日という異常に遅い時期に封切りされます。また、「スポットライト 世紀のスクープ」も日本では4月頃に上映されるらしいですが、「ルーム」に至っては日本での公開は未定という状況です。
なお、同じく今回のアカデミー作品賞にノミネートされていた話題作「マネー・ショート 華麗なる大逆転」は3月に、さらに「ブルックリン(BROOKLYN)」は7月に公開されるらしいです。
世界中で話題になっている映画が、日本ではなかなか公開されないという状況は以前から気になっていました。例えば、昨年話題になった「マイ・インターン」や「ブリッジ・オブ・スパイ」は、記事を投稿した直後はアクセスはわずかでしたが、数ヶ月後に日本での公開が迫った時期になって爆発的なアクセスが来て驚きました。
世界中で話題になっている作品の日本での上映がこんなに遅れる理由はよく分かりません。日本語字幕の作成に時間がかかるためだとは思えません。洋画の流入から日本の映画市場を守るためかもしれませんが、ヨーロッパの映画大国であるイタリアやフランスでは「規制」がないのか、日本よりずっと早くに公開されています。あるいは、何か日本の映画界を取り巻く構造的な問題が原因かもしれません。
最近は、経済や文化のグローバル化のおかげで、世界中の人々が旬な最新情報にほぼ同時にアクセスすることができます。パナマのような開発途上国の人々も、先進国の人々と同じようにそれらの情報にアクセスし、自分の評価ではアカデミー賞はこの作品だとか議論しています。
まあ、映画やアカデミー賞に興味のない方にはどうでもいい話ですが、今回の例で言えることは、日本に住んでいると残念ながらグローバル化の恩恵を受けられないということです。世界で今起きている出来事について、開発途上国よりもはるかに情報へのキャッチが遅れている日本の現状について思うと…。地球の裏側から憂いています。
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