キューバは、旅行するのと生活するのでは大違いの国です。(その11)今週末も闇市場にお世話になっています。

今週末も、生鮮食料品の調達のために農産物市場に出かけました。私のような外国人を見かけると、必ず怪しげなキューバ人のお兄さんが声を掛けてきます。連中の企みは、市場に出回らない統制品を私たちにCUC(ドル)建ての闇価格で売ることです。市場の裏の闇取引場に置かれている代表的な3品は、以下の通りです。

1.ジャガイモ

配給や外国人観光客向けホテルに優先的に回され、私たちのような在住外国人にはまず回ってきません。ジャガイモの栽培は他の野菜や穀物に比べたらはるかに簡単だと思いますが、なぜかいつも不足しています。私たちも、たまにはカレーやポテトフライが食べたいので、仕方なく正規のルートから横流しされたジャガイモを闇価格で購入しています。日本では200円程度で買える量のジャガイモを、この日は交渉して3CUC(ドル)で買いました。日本で売っているキレイなジャガイモと違い、濡れた土がべっとり付いていて、調理するに手間がかかります。

2. 卵

ジャガイモと同じ理由で、なかなか手に入らないのが卵です。外国人観光客は、朝はホテルのブフェで食べ放題ですが、キューバに住む外国人はいつも食べられるわけではありません。日本では最低レベルの品質の卵30個を、この日は3CUC(ドル)で買いました。

3. エビ

海に囲まれているキューバですが、獲れたエビは輸出か外国人向けのホテルやレストランに卸され、一般のキューバ人や在住の外国人はなかなか手に入りません。何回も冷蔵と解凍を繰り返したような鮮度の低いエビを一袋15CUC(ドル)で売っています。

たまにはかき揚げやエビチリも食べたいので、仕方なく購入しています。

 

日本では終戦直後の食糧調達が困難であった時代に、食糧管理法に従った配給食糧のみを食べ続け、非合法的な闇市での食糧調達を拒否した末に餓死した裁判官の話が有名ですが、キューバではそのような美談(?)は聞きません。こちらに来て話したすべてのキューバ人が認めている通り、現在のキューバでは、政府の配給食糧のみで生存を維持するのはもはや不可能です。闇市場でも物を買うのは、キューバでも一応非合法ですが、終戦直後の日本と同じように、多くの国民や在住の外国人が闇市場に頼って生きているのが現実です。食料や物が不足しているキューバですが、「当局による見逃し」という最後のセーフティーネットのおかげで、皆さん何とか生活しているようです。

配給所の様子です。本当に物が不足しています。

外国人向けスーパーの棚です。この日も空が目立ちます。

次の日、通勤する途中の道で、放し飼いにされている鶏と生まれたばかりのヒナたちを見かけました。卵を手に入れるには、アパートのベランダで鶏を飼うのもいいなと本気で思った次第です。

 

 

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