「アラカン男の独り言」酒とバラの日々(Days of Wine and Roses)

私、酒には弱いですが、美味しいものを食べながら、のんびりと会話を楽しみながら飲む酒は好きです。

平日はもっぱら家飲みですが、週末は気分転換でよく外飲みをします。先週末の昼は、近所のタパスとパエリャが売りのレストランにセニョーラと出かけました(実はその前の週も別の店に行きました)。

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アパートの近くにある「a-banda」というレストランです。地中海風(Sabor Mediterráneo)の料理が売りです。

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中はこんな感じです。バーカウンターもあって、お洒落でカジュアルな雰囲気です。開店と同時に中に入った右側の客(ブラジル人)はこの店の常連さんで、毎週来ているそうです。

 

さて、最初に注文したサングリアがテーブルの花瓶に生けられたバラの花の横に置かれた瞬間(アイキャッチ画像)、あの映画音楽の巨匠ヘンリー・マンシーニ (Henry Mancini) が作曲してアンディー・ウイリアムス(Andy Williams)が歌った名曲「酒とバラの日々(Days of Wine and Roses)」を連想しました。

 

もうアラカンですから、これからは家の中でも外でも美味い酒だけを飲んで懐かしのアンディー・ウイリアムスの曲でも聴きながら、優雅な気分で残りの人生を過ごしたいですね。「Smile Smile  笑○」とか「Japanese People 和○」みたいな、安いけどガヤガヤして、連れの話し声も聞こえないような店にはもう行きたくないですね。

ところで、日本の大衆居酒屋チェーンがやっているような「お得な鍋コース」(5000円)、あるいは2時間飲み放題付きで6000円とかいうコース料理を出す店は、宴会シーズンには学生やサラリーマンで大いに賑わっていますが、本当にお得でしょうか。

チラシには何人前かの写真が掲載されるので、一見豪華なコース料理に見えます。でも、実際に行ってみると、鍋の前には、しょぼい付け出し、薄くて鮮度の落ちた刺身の5点盛り(一人各種一枚づつ)、ギットリとした揚げ物、そしてメインの鍋は海老(一人一匹)以外は何が入っていたのか記憶に残らないような代物です。鍋の後は、「締め」と称して、化学調味料たっぷりの残り汁にご飯と卵をぶっこんだ「おじや」。そして、最後のトドメは、コンビニで売っているようなスイーツ。同じ5000円払うなら、こんなコース料理ではなく、他にもっといい選択肢があると思うのですが〜。

一方、1000円プラスで飲み放題の方はどうでしょう? ビールを注文したけれど、何だかおかしい…。それもそのはず、ビールのジョッキはキリンのマーク付きですが、中味は一番搾りではなく、冷淡(ではなくTANREI)。ちなみに、この発泡酒とか第三のビールとかいう代物、消費者の嗜好より懐(税金)の具合を考慮して作られているので、美味いはずがありません。「サワー」とかいう代物も曲者です。生のフルーツで作ると別料金で、かき氷にかけるようなシロップと安物の焼酎を炭酸水で割った原価○十円の飲み物です。ワインは白も赤も、パックに入った料理酒と同じレベルのものが出てきます。2時間一本勝負でこのような代物を飲みまくったら、悪酔いして翌日は二日酔いになること間違い無しです。

アラカンまで年をとらなくても、いい年をした大人の男なら、こんな店には行きたくないですね、まさに、安物買いの銭失い。不健康な料理と不味い酒で、身も心も貧しくなります。日本にまだある喫煙OKの店なら、混雑した部屋に充満した煙でダブルパンチをくらいます。(ちなみに、パナマにある飲食店は100%禁煙です。)

6000円あれば、心のこもった手料理や美味しいお酒を味わえる居酒屋や和食の店は他に沢山あります。ピッチャー入りの気の抜けた発泡酒を制限時間内で何杯も飲みまくるより、薄くてきれいなグラスにクリーミーな泡がでているビールをゆっくり飲んだ方がコスパがいいです。外で飲むなら、飲み放題レベルの安酒や「サワー」ではなく、家では飲めないような一合の名酒です。

さらに、6000円あれば、ミシュランビブグルマンレベルのレストランでも十分に質の高い飲み食いが出来ますね。ランチであれば、ミシュランの一つ星レベルの店でも楽しめます。(例えば、国内では→こんな店海外では→こんな店に行きたいですね。)

それから、美味しいお酒と食事を会話をしながら楽しむには、少人数で、静かで雰囲気のいい店を選びたいですね。カップルなら問題ありませんが、共通のテーマで会話を楽しむには4、5名くらいが限度です。

 

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最初のタパス(つまみ料理)は鱈(Bacalao)のコロッケです。店のお勧めだけあって美味しいです。

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二皿目のタパスも店のお勧め海老(Gamba)のフライです。出来立ての熱々、新鮮プリプリの海老にレモンとタルタルソースがよくマッチします。

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この店のオリジナルパエリャ(Paella)です。これで一人分なので、二人でシェアーしてちょうどいい量です。火にかける時間を少し長くして、底を「お焦げ」にしてもらいました。これがまた美味しいんですよね。

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雰囲気のいいレストランで酒を飲みながら静かな週末を過ごせて、幸せ気分です!

 

そんなことを考えているうちに、あっという間に時間が経ちました。お勘定を頼むと、二人分の飲み食いにチップ込みでちょうど50ドル。日本のコスパの悪い大衆居酒屋の一人前のコース料理と同じ値段です。これからの人生での外飲みは、どんなタイプの店に行くべきか、もう迷うことはありません。

 

それにしても、この日に飲んだサングリア、店のサービスで大きなグラスになみなみと注いでくれたので、完全に酔っ払いました。タクシーに乗ってアパートに直帰です。休日の午後は、またヘンリー・マンシーニ の作曲で、アンディー・ウイリアムスが歌う「ムーンリバー(Moon River)」を聴いて、夢を見ながらうたた寝です。旨い酒と究極の癒し系ミュージックで、気分はまさに「酒とバラの日々(Days of Wine and Roses)」です。

 

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