American Sniper (アメリカン・スナイパー) 戦場に4回ツアーしてトラウマを患いつつもレジェンドと呼ばれた男

このブログのエンタメのカテゴリーでは、音楽とともに、私のアラカン人生で楽しんできた映画やドラマについても語ります。紹介する作品は昔の名作から最近の話題作まで、そのタイムスパンは私のこれまでの人生の長さ以上になります。

第一弾は次の作品です。

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私、クリント・イーストウッドの映画は、西部劇からダーティー・ハリー、アクションもの、ドラマものまで、主演ないし監督した映画はほとんど観ているファンであり、数多くの作品を楽しませてもらいました。

彼は、最近亡くなった日本の名俳優高倉健と同世代のため、年齢的からしてこれが最後の作品になるかもしれません。

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さて、観終わっての感想ですが、正直に言うと、今回の作品は期待していたほど面白くありませんでした。

私、この映画を高く評価をしている多くの映画評論家やファンの方とは違った視点を持っているのでしょうか?クリント・イーストウッドがアカデミー作品賞と監督賞をダブル受賞した「ミリオンダラー・ベイビー」を観た時も、結末で「何コレ」と感じ、今回と同様に面白くなかったのを思い出しました。

シルベスター・スタローン主演の「ランボー」トム・クルーズ主演の「7月4日に生まれて」もそうですが、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、また最近のイラク戦争と、従軍した米軍兵士が社会復帰できずに、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされるような内容の映画は過去に数多く作られ、すでにネタとしての新鮮味はありません。この映画は事実に基づくとはいえ、残念ながら、過去の同種の映画以上のメッセージは伝わらず、「ああまたか」という感じです。

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しかしながら、映画に込められたメッセージ云々を抜きにして、娯楽作品としては、以下の点で楽しめました。

  • 今の戦争は昔と違いビジネスライクです。この主人公、イラク戦争に4回従軍していますが、各従軍期間は6週間程度と短く、ツアーと呼ばれます。例えば、4回目の従軍は英語でTOUR 4と表現されていました。まるで、軍隊サービスの会社に入って、研修を終えた社員が、ビジネス感覚で現場に出張する感じです。
  • 戦場で敵と交戦中も、ケータイで家族と話をして、「もうヤバイ」とか言っています。グローバルなIT化の波は戦火にある国の最前線にまで達しているようです。
  • スティーヴン・スピルバーグ監督トム・ハンクス主演の「プライベート・ライアン」(原題:Saving Private Ryan)にも脇役として狙撃兵(スナイパー)が登場しますが、第二次世界大戦と今日では、戦場の様子がずいぶん違うなと思いました。
  • それから、西部劇やダーティー・ハリーのシリーズでは、最後は必ず主人公と敵の一騎打ちで決着がつきますが、このパターンはこの映画でも踏襲されています。敵陣には1000m先の標的を狙撃できる元オリンピック代表級のスナイパー(実在の人物)がいて、最後は、主人公がこいつを2000m近い距離から射殺して決着です。この部分はフィクションかもしれませんが、いかにもクリント・イーストウッドの映画という感じでした。
  • 戦場の兵士、さらに祖国の家族や同胞を守るために、合計4回のイラクへのツアーで、女や子供を含む160人以上を射殺したこの実在のスナイパーは、米国ではレジェンド(legend)と呼ばれたそうです。戦争ではなく平和の祭典(冬の)オリンピックに合計4回ツアーして出場しているジャンパーの葛西選手が、レジェンド(legend)と呼ばれているような平和な国に生まれて本当によかったです。

 

 

次回は、そんな平和な国にもいるスナイパーについて語ります。

 

 

 

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