「リリーのすべて(The Danish Girl)」アカデミー助演女優賞に輝いた作品の結末は意外でした…。

2016年の第88回アカデミー助演女優賞に輝き(アリシア・ビカンダー)、日本では3月18日から公開予定の「リリーのすべて」は、パナマでは2月上旬から公開されています。例によって、日本では世界中のどの国よりも遅く公開されます。

日本語版の予告編はこちらです。

 

映画.COMの解説を引用させていただきます。

「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を受賞したトム・フーパー監督と、「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞の主演男優賞を手にしたエディ・レッドメインが、「レ・ミゼラブル」に続いてタッグを組み、世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話を描いた伝記ドラマ。1926年、デンマーク。風景画家のアイナー・ベルナーは、肖像画家の妻ゲルダに頼まれて女性モデルの代役を務めたことをきっかけに、自身の内側に潜む女性の存在を意識する。それ以来「リリー」という名の女性として過ごす時間が増えていくアイナーは、心と身体が一致しない現実に葛藤する。ゲルダも当初はそんな夫の様子に戸惑うが、次第にリリーに対する理解を深めていく。第88回アカデミー賞で主演男優賞、助演女優賞など4部門でノミネートを受け、ゲルダを演じたアリシア・ビカンダーが助演女優賞を受賞した。

 

さて、この映画についての私の総合的な評価と感想です。今年のアカデミー助演女優賞に輝いたアリシア・ビカンダー、さらに昨年のアカデミー男優賞受賞に引き続き今年もノミネートされたエディ・レッドメインの卓越した演技力が光る傑作です。「性同一性障害」という重いテーマを扱いながらも、人間としての優しさや思いやりの大切さに気づかせてくれる映画です。

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以下は、映画を観てのコメントです。写真はこのサイト(IMDb)から引用させていただきました。

♥日本語版のタイトルは「リリーのすべて」ですが、原題は「The Danish Girl」、スペイン語版のタイトルは「La Chica Danesa」で、「デンマークの女(少女)」の意味です。実際、1926年のデンマークの街や風景が美しく描かれます。また、映画の題材としての絵画やファッションも美しく、今年のアカデミーの美術賞と衣装デザイン賞にもノミネートされた訳が分かりました。

♥アリシア・ビカンダーのアカデミー助演女優賞の獲得は納得です。でも、この映画で男役(アイナー・ベルナー)から女役(リリー・エルベ)までを演じるエディ・レッドメインは、昨年は「博士と彼女のセオリー」で健常者から障害者までを演じていて、まさに変身の名手です。レオナルド・ディカプリオの映画がなければ、今年も主演男優賞に輝いていたかもしれません。

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♥外見と心の性別の不一致感で悩んだり、落ち込んだり、気持ちが不安定になる「性同一性障害」は、今日では医学的に認められ、社会的にも理解を得つつあります。でも、映画の舞台となった当時は、医学的にはもちろん、社会的にも今日よりはるかに偏見に満ちた目で見られていたのでしょう。主人公は、世界で初めて性別適合手術を受けて、心身ともに女性のリリーになろうとします。ところが、ようやく本当のリリーになれたと思ったところで、意外な結末がやってきます。これ以上はネタバレするため語りませんが、医学の発達の裏にはこれに貢献した人々の歴史がありました。

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♥話は変わりますが、私は犬を飼っているので、この夫婦が飼っている犬にどうしても目が行きました。この映画では犬までいい演技をしています。心が落ち込んだ時に癒してくれるペットの存在にも共感できました。

♥主人公は、妻の絵の女モデルの代役をしたことがきっかけで自分の中の女に目覚めますが、子供の頃にも友人の男の子にキスをするなどの「予兆」がありました。キスとした幼馴染みの男と夫婦との「三角関係」が面白いです。はじめは男と女を意識した関係でしたが、次第にこれを超越した関係になっていきます。結婚した時には男だった夫のアイナーが、次第に身も心も女のリリーに変身していく過程で、妻のゲルダは以前のような愛情を維持できるのでしょうか…。

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♥さて、今年のアカデミー賞を受賞した俳優がすべて出揃いました。主演男優賞は「レヴェナント」のレオナルド・ディカプリオ主演女優賞は「ルーム」のブリー・ラーソン、助演女優賞は「リリーのすべての」のアリシア・ビカンダーで、ここまでは納得です。でも、助演男優賞が「ブリッジ・オブ・スパイ」のマーク・ライランスというのは意外です。まあ、「ブリッジ・オブ・スパイ」では、トム・ハンクスよりはいい演技をしていましたが。

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「いゃ〜、映画っていいですね」。「それでは、皆さん、さよなら、さよなら、さよなら」。これらのセリフをご存知の方はアラカンです。

 

 

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