金で回っている国、人で回っている国、両方で回っている国

今週は火曜日から木曜日まで、二泊三日で中米の近隣国エルサルバドルに仕事で出張しました。パナマの航空会社Copaの便に乗って高層ビルが立ち並ぶパナマ市を出発し、2時間弱でエルサルバドルの首都サンサルバドルに着きました。
同じ中米でも、パナマと比べるとエルサルバドルは貧しい国です。両国の首都の様子(上下の写真)もずいぶん違います。
しかしながら、エルサルバドルは貧しいですが、空港の職員やホテルやレストランの従業員はパナマよりずっとキビキビと働いています。そう、この国の国民はかつての日本人のように真面目によく働くと言われています。
パナマが金で回っている国だとすると、エルサルバドルは人で回っている国という印象です。
国が発展するには、金だけでもダメだし、人だけでもダメだし、やはりその両方が揃わないとダメだなと感じます。
さて、エルサルバドルに着いた13日の夜、金と人の両方で回っている米国では、来年の米大統領選挙をめぐる民主党の候補者討論会が行われました。治安が悪くて夜は外出を控えたので、ホテルの部屋でCNNの生中継を見ました。面白いのは、この討論会はCNNとFace Bookという現在の米国を代表するメディアが主催していることです。
なお、一足先に行われた共和党の候補者討論会については、先日の投稿で取り上げましたが、以下の通りです。
来年秋の大統領選挙に向けた共和党の候補者指名争いは、あの不動産王ドナルド・トランプ(Donaldo Trump)氏の参戦と「善戦」により、劇場的、ショー的な意味で面白くなっています。トランプ氏の言動が注目の的になっている分、あのブッシュ家の3番手ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事や他の出馬者の影が薄くなっています。同氏が最近行った、メキシコを初めラテン系の移民や不法入国者を制限すべきとの発言が話題になっていますが、アメリカの中には同氏のこうした発言を支持する声があるのも現実です。さすがに最近は、クー・クラックス・クラン(KKK)など過激なグループは表舞台から姿を消しましたが、ボストン茶政党(Boston Tea Party)など、アメリカの最右翼を代表するグループの存在も侮れません。トランプ氏は先日は女性蔑視のセクハラ発言でまた物議を醸していますが、世間が彼に注目する展開は、まさに彼が望むところでしょう。でも、ヒスパニックグループや女性を敵にしたら選挙には勝てないので、現在支持率第1位のトランプ氏も、最終的には候補指名を得るのは困難だと思います。共和党が恐れるのは、同氏が共和党を離れて独立候補となり、共和党候補の票を食う展開でしょうか。それにしても、来年の大統領選挙が民主党クリントンと共和党ブッシュの争いになったら、アフリカ系大統領オバマ氏の誕生で盛り上がった変革(Change)ムードは一気に萎み、アメリカ国民の間にもややしらけたムードが漂いそうです。あっ、アメリカ史上初の女性大統領の誕生という「夢」は残されていますね。
今回の討論会はラスベガスで行われました。討論会に先立ち、クリントン候補が共和党の宿敵トランプ候補が所有するホテルの前で、同士を非難する野外演説をするなど、劇場的な期待感はさらに高まっています。
さて、民主党の候補者指名争いは前国務長官のクリントン候補と上院議員のサンダース候補に絞られています。
トランプ氏を中心に劇場的な雰囲気の共和党の討論会に対し、民主党の方では具体的な政策に踏み込んだ議論が行われましたが、クリントン候補とサンダース候補に関しては、その主張に大きな隔たりはないようです。
今回の討論会では、サンダース候補がいかにクリントン候補に接近できるかが焦点でしたが、結果的にはその差がさらに開いた感じです。60代でなおもエネルギッシュなクリントン候補に対し、70代半ばのサンダース候補はやはり年齢的な衰えが感じられ、この人物に大統領職を託して大丈夫かなと不安になります。
民主党の方は、どうやらクリントン候補で決まりという印象ですので、今後の焦点は共和党の劇場に絞られるかなと思われます。
それにしても、間接選挙制とはいえ、国のトップを国民が直接選べるシステムは羨ましいです。日本でも導入するば、国民の政治的な関心は今よりはるかに高まると思います。憲法の改正が必要ですが、9条を変えるよりは国民の賛同を得やすいでしょう。
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