2019年「世界青年の日(The World Youth conference 2019)」はパナマで開催されます!

「世界青年の日(The World Youth Conference)」と言っても、日本ではご存知ない方が多いと思いますが、1985年のイタリアのローマでの開催を皮切りに、2年ごとに世界各地で開催されている若者を中心としたカトリック信者の平和の祭典です。なぜ注目されるかと言うと、祭典にはローマ法王自身が参加すること、さらに毎回100万人以上が参加する大イベントであるためです。

今年は、7月27日から31日までポーランド南部のクラクフという都市の近郊で開かれ、警察の発表によると150万人以上の信者が集まったそうです。日本では、フランシスコ法王がアウシュビッツの強制収容所を訪れたニュースは大きく取り上げられていましたが、祭典の様子を詳しく伝えているメディアは少なかった気がします。カトリック教会の影響力に関する日本人の関心の無さの表れでしょうか?

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パナマの新聞 La Prensaより引用

さて、世界的にテロや難民等が問題となっている状況で開催された今回の祭典では、ローマ法王は国境に捕らわれずに敵対者を愛する勇気を持つことの大切さを訴え、多くの国からの参加者の共感を得ました。CNNのスペイン語チャンネルで見る限り、どこかの国の大統領候補の指名集会のように非難や中傷が飛び交う場面はありませんでした。多くのカトリック信者にとっては、ローマ法王は自国の大統領よりもはるかに尊敬できる存在であるようです。

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パナマの新聞 La Prensaより引用

さて、今回の祭典での驚きは、最終日である31日に、ローマ法王自身が2019年の次期開催国をパナマと発表したことです。この祭典には、なぜかパナマの大統領と副大統領が揃って参加していたので、パナマ政府は事前にひそかに誘致運動と根回しをしていたようです。実は、7月28日にペルーで、あのフジモリ元大統領の長女を破ったクチンスキ(Kuczynski)大統領の就任式があり、ラテンアメリカの多くの首脳はそちらの方に出席していましたが、パナマの大統領はカトリックの祭典への出席を優先させました。一国の大統領と副大統領が同時期に同じ場所に外遊するのは、国家の安全保障上あまり行われませんが、今回はそんな事はお構いなしです。

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高層ビルが立ち並ぶパナマ市

発表から一夜明けたパナマでは、すべての新聞やテレビが一斉にこのニュースを伝えました。パナマ文書問題パナマ運河の拡張工事の完了に続いて、中米の小国パナマからまた世界的なニュースが伝えられました。人口400万程度の小国で100万人以上が集まるイベントを開催するのは想像を絶しますが、すでに多くのパナマ人が同胞のカトリック信者に「民泊」の提供を申し出ています。東京オリンピックの開催を控え、民泊をいかに規制するか悩んでいる日本の当局と違い、パナマの政府や民衆は日本人がマネができないようなスケールの大きいラテン的な発想を持っています。

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パナマは2019年の一大イベントのホスト国になります。

なお、カトリック教会に関する記事は、こちらをご覧ください。

 

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