My Michelin Guide (Bib Gourmand) 私のミシュランガイド(ビブグルマン編) その1

グルメのガイド本は無数にありますが、個人的には保守本流のミシュランを頼りにしています。ここで星を獲得しているレストランはまず外れはないと思います。日本料理や寿司以外でも、たとえばフレンチのジョエル・ロブションとかカンテサンスなど、ここに載っている店は世界最高水準でしょう。でも、当たり前ですが、どの店も内容だけでなく、お値段も超一流です。多くの方にとって、これらは日常的に利用するものではなく、結婚記念日、恋人へのプロポーズ、愛人との密会(?)など、特別な機会に気合を入れて行く店でしょう。
実は、このミシュランガイドの中で一番実用的で私が頼りにしているのは、☆付きレストランのリストではなく、コスパ(CP)重視で、日常的に通える大衆的な店を紹介した「ビブグルマン」の部分です。最初の写真にある2014年版から掲載が開始され、2015年版でも、多くの店が紹介されています。
その意図するところは、「丁寧に作られた質の良い食事を手頃な価格で提供するレストラン」を紹介することです。(2014年版330ページの記述)
さて、私のブログでは、ミシュランガイドに載っている店に行ってよかったというような記事は投稿しません。なぜなら、それらの店はその道のプロが選んでいるので、多少の好みの違いがあっても、いい店に決まっているからです。
東京にはレストランが無数にあり、とくに「ビブグルマン」クラスになると、ミシュランに載らないいい店も沢山あります。例えば、私も好きですが、イタリアンの落合シェフのLA BETTOLAなどもCPがいい店ですが、掲載されていません。(店が掲載を辞退している?)
東京ではいいレストランは都心に集中しているので、ミシュランの調査員は当然都心を中心に回っていると思います。先日投稿した「真のナポリピザ その1」でご照会した東京にある店のうち、ラ・ピッコラ・ターヴォラは「ビブグルマン」に載っていますが、郊外にあり私がよく行くラ・パーラの方は載っていません。どちらも甲乙つけがたいいい店ですが、ミシュランの調査員は東京の田舎までカバーしてくれません。
東京の郊外に住む私は、都心のミシュランお勧めの店には頻繁には通えないので、自宅から徒歩ないし車で行ける範囲の店を食べ歩き、「私のビブグルマン」として「追加認定」しています。例えばRistorante YAMAという店は、先日ご照会したピザの店ラ・パーラと共に、「私のビブグルマン」リストに入っています。
この店、最寄りの駅からバスないしタクシーを使わないと行けない住宅街の中にあります。商売するには絶対的に不利な場所にありながら、地元の特にCP重視で舌が肥えている奥様方に人気です。都心に比べて地価が安いのがCPに有利に働くのか、昼のランチコースはグラスワイン一杯を付けても、二千円強です。
この店は、ご夫婦二人で切り盛りされ、一軒家のこじんまりとした空間での家庭的なサービスが売りです。シェフのご主人は、以前都心の某有名ホテルの厨房で働いた経験があり、前菜からデザートまで懇切丁寧に仕上げます。
円安の昨今ですが、海外でこれだけ質の高いランチコースを20ドルで食べられる国はあまり無いと思います。その意味では、日本は「ビブグルマン」に載るような「丁寧に作られた質の良い食事を手頃な価格で提供するレストラン」の宝庫です。
皆様がお住まいの地域や国にも、「あなたのビブグルマン」リストに入るような店が見つかるかもしれませんね。
次回は、パナマでの「私のビブグルマン」の店探しについてご紹介します。