Good Morning Panama / Buenos Días Panamá / おはようパナマ(10) Trump, Singapore & Panama

8月10日のパナマ市の夜明けです。雨季のため空は暑い雲に覆われ、朝日が拝めません。

 

パナマは熱帯に属する国ですが、今は冬(invierno)と呼ばれる雨季で気温もやや低く、猛暑の東京からパナマ市に戻ってほっと一息です。

さて、今日もCNNで世界中のニュースをキャッチしていますが、アメリカの大統領選挙シンガポールの独立50周年のニュースに興味を引かれました。以下はニュースに関する私のコメントと独り言です。

 

【アメリカの大統領選挙】

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パナマシティーにもあのTrumpの名を冠したビルがあります。

来年秋の大統領選挙に向けた共和党の候補者指名争いは、あの不動産王ドナルド・トランプ(Donaldo Trump)氏の参戦と「善戦」により、劇場的、ショー的な意味で面白くなっています。トランプ氏の言動が注目の的になっている分、あのブッシュ家の3番手ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事や他の出馬者の影が薄くなっています。同氏が最近行った、メキシコを初めラテン系の移民や不法入国者を制限すべきとの発言が話題になっていますが、アメリカの中には同氏のこうした発言を支持する声があるのも現実です。さすがに最近は、クー・クラックス・クラン(KKK)など過激なグループは表舞台から姿を消しましたが、ボストン茶政党(Boston Tea Party)など、アメリカの最右翼を代表するグループの存在も侮れません。トランプ氏は先日は女性蔑視のセクハラ発言でまた物議を醸していますが、世間が彼に注目する展開は、まさに彼が望むところでしょう。でも、ヒスパニックグループや女性を敵にしたら選挙には勝てないので、現在支持率第1位のトランプ氏も、最終的に候補指名を得るのは容易ではないと思います。共和党が恐れるのは、同氏が共和党を離れて独立候補となり、共和党候補の票を食う展開でしょうか。それにしても、来年の大統領選挙が民主党クリントンと共和党ブッシュの争いになったら、アフリカ系大統領オバマ氏の誕生で盛り上がった変革(Change)ムードは一気に萎み、アメリカ国民の間にもややしらけたムードが漂いそうです。あっ、アメリカ史上初の女性大統領の誕生という「夢」は残されていますね。

 

シンガポールの独立50周年

9日、シンガポールの建国50周年の式典が行われました。政権がころころ変わり開発政策に一貫性が無く、汚職も日常茶飯事のラテンアメリカ諸国と違い、シンガポールでは、いい意味での「開発独裁」により長年この国を引っ張ってきた故リー・クアンユー初代首相は未だに国民の尊敬を集めています。今では、国民一人当たりの所得は日本を完全に凌いで堂々のアジア第1位(購買力平価で計ると世界第3位)です。教育、医療、経済競争力等も世界でトップクラスです。余談ですが、今年の3月にロサンゼルスと東京をシンガポール航空のエコノミークラスを利用して往復しましたが、そのサービスの質はもうJALとANAのレベルを上回っていると感じました。さて、このアジアの小さな大国は、世界の金融センター、空港や港湾のハブ化などの類似性から、ラテンアメリカの小国パナマが目指すべき開発モデルの一つとされています。こんなシンガポールですが、最近では高齢化による労働力不足、さらに物価高や各種の規制を逃れた人口流出に加え、開発の「伸びしろ」の減少に伴う頭脳流出などが問題になっています。一方、パナマの伸びしろはまだ無限大なので、今後もシンガポールを目指して発展できる余地は大きいです。特に、クリーンな政府によるイニシャティブ、教育や機会均等政策による人材育成と国民意識の高揚などは、パナマがシンガポールからぜひ学んでほしい点です。

 

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パナマはラテンアメリカのシンガポールになれるでしょうか?(Maximo Novasさんの写真を借用しました。)

 

 

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