キューバでは、レンタカーを借りるのに2週間と「半日」かかりました。

日常生活に必要な物資の調達が容易で無いキューバでは、生活の足として乗用車が欲しいところです。しかしながら、一般庶民が車を買おうとすると、何と車両価格に800パーセントの税金プラス輸入のための関税を支払わなくてはなりません。例えば、日本円で200万円ちょっとの庶民車を買おうとしても、何と2000万円近くも払わなくてはなりません。

そこで、キューバではレンタカーを借りることにしました。でも、この時期は観光シーズンで在庫の車が少ないとのことで、レンタカーの予約は2週間前に滞在先のホテル(Hotel Comodoro)で行いました。予約日時の土曜日の午前9時前にレンタカーの事務所に行くと、そこには車が無いので、少し離れたベダード地区にあるハバナ・リブレ(Havana Libre)というホテルに行けと言われました。

ハバナ・リブレは5つ星の、ハバナでは最高級の部類に入るホテルです。

キューバには、Cubacar、Havanauto、Transtur、REXとか、いろいろな名前のレンタカー会社の事務所が沢山ありますが、どれも国営で値段も「サービス」も同じです。事務所の前の駐車場に車がいっぱい並んでいても、たいてい貸す車は無いと言われます。車を貸すための書類作成の手続きが大変なため、車を貸しても貸さなくても給料が変わらない事務所の人にとっては、借りてくれない方が働かなくて済むので楽だと思います。

ホテルのロビーにあるレンタカーの事務所に行くと、係りのおじさんから、「今日貸すことはできそうだが、車はいつ来るか分からない」と言われました。我々よりも前に来た外国人女性も、事前に予約したのにおかしいと文句を言っています。係りのおじさんの前には、コンピューターの画面がありますが、予約情報は全て手元にある手書きのノートと電話で管理しているようです。おじさん曰く、自分は来た車の貸す手続きをするのが仕事で、車の来るのが遅れているのは自分の責任では無いとのことです。日本でしたら、レンタカー会社の責任を問うところですが、キューバではこれが当たり前です。

結局、昼近くまで待っても車が来ないので、ホテルの近くでランチを取りました。このベダード(Vedado)という地区は、旧市街(Old Habana)の外側にありますが、散策しても面白い街です。

レンタカー事務所のおじさんが、親切に教えてくれたLos Amigosというレストランに入りました。安くて美味しいとのことです。

例によって、豚のヒレ肉焼きを頼みましたが、まあまあ美味しかったです。車を運転するので、酒は飲めません。

さて、ランチを終えてハバナ・リブレのホテルに戻ると、まだ車は届いていませんでした。2時過ぎまで待っていると、なんとおじさんから、「ここには車は来ないので、近くにあるホテル・プレシデンテ(Hotel Presidente)に行ってくれと言われました。おじさんも同情してくれて、それなりに努力してくれたようです。

すでに料金を前払いしているので、仕方が無く3つ目のホテルの事務所に行くと、そこでようやく車が手に入り、係りのおばさんがかったるそうに貸し出し手続きをしてくれました。

予約した車種は、韓国製KIAのPICANTOというオートマの小型車でしたが、今日は手配できないそうで、代わりに同じ料金(1日75CUC=ドル)でプジョーの中型車を貸してくれました。車のエンブレムらしきものは全て盗まれたかのか無くなっていて、どこのメーカーの車だか分かりません。ちなみに、キューバでは日本車はほとんど走っていません。

日本や米国では、レンタカーの燃料は、満タンで借りて満タンで返すのが普通ですが、キューバでは借りる時点で入っている燃料を購入します。この車の場合は、四分の3入っているので、60ドルほど取られました、返すときはタンクが空でもいいそうです。結局、借りる代金が1日75ドルの3日分で225ドル、燃料代60ドル、さらに保証金とかいう名目で200ドル取られ(返す時に返却される)、合計485ドル払いました。

借りた車は、直前まで誰かが使っていたらしく、床は汚れ放題です。車の中も外も、貸す前に全く点検や清掃を全くしないようです。

後ろのシートも信じられない汚さ!

結局、2週間前に予約した車を、約束の日時に取りに行きましたが、3箇所たらい回しにされて、午前9時の予定が午後3時過ぎになって、ようやくどこ製だか分からなくなった車を借りることができました。ちゃんと走ってくれるのか心配になります。

キューバのレンタカーのシステム、まさに恐るべしです!旅行で来られる方には決してオススメしません。キューバでは車は買えないし、借りるのも大変です。

 

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