「アラカン男の独り言」南シナ海で米国の軍艦を中国の軍艦が追跡!いよいよ新安保関連法の適用かと思いきや…

今朝、例によってアパートのジムでトレーニングをしながらCNNニュースを観ていると、日本に派遣された特派員が横須賀の米軍基地の近くから緊急レポートしていました。およその内容は以下の通りです。

横須賀の米海軍基地に配備されたイージス駆逐艦「ラッセン(Lassen)」が「米国の航行の自由のための作戦(U.S. Freeedom of Navigation Operations)」を遂行するために南シナ海に派遣され、中国が岩礁を埋め立てて造成した人工島の周辺12カイリ内を航行した。米国側はどの国にも属さない公海内の航行としているが、中国側は領海への進入は主権を侵害する「違法な(illegal)」行為であると主張し、軍艦2隻を出撃させて米国の艦船に対して監視と追跡、警告を行った。・・・両国とも譲歩しない姿勢なので、今後も同海域では緊張状態が続きそうである、云々。

このニュースを観た時、先月国会で長期間にわたるゴタゴタを経て成立した新安保関連法を思い出しました。同関連法は、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態(重要影響事態)が生じた場合、自衛隊は他国軍を後方支援できるとしています。また、日本と密接な関係にある他国に武力攻撃が発生し日本の存立が脅かされる事態(存立危機事態)には、自衛隊は集団的自衛権に基づく防衛出動ないし武力行使ができるとされています。

日本にある基地から作戦を遂行するために出撃した米海軍が、日本を含めてアジアの友好国が利害を有する海域で中国海軍と一触即発の状況が続くとなれば、当然ながら新安保関連法が想定する「重要影響事態」ないし「存立危機事態」を想定した議論が沸きあがると思いました。

しかしながら、日本のテレビや新聞は南シナ海における米国と中国のにらみ合いの事実は伝えていますが、日本の外交政策への影響についての論評はほとんど聞かれません。

また、外遊中の日本の首相は、今回の米海軍のイージス艦の航行に関し、「国際法にのっとった行動だと理解している」と述べ、「支持」する意向を表明したそうです(時事通信)。しかしながら、同盟国との連携を唱えて法案を成立させたからには、万一の事態に備えて日本は同関連法を直ちに施行して必要な措置(米国への支援)を取るくらいの明確なメッセージを世界に向けて発信してもらいたいです。新安保関連法は、日本が集団的自衛権を行使するケースとして、どの国とどの国がどこで衝突する事態を想定しているのでしょうか?

一方、あれほど政府のやり方を批判していた野党を含む人々は、新安保関連法の適用の可能性が排除できない今回の状況について、日本としてどう対処すべきと考えているのでしょうか?誰も声を上げません。

まあ、皆さん今回の出来事は日本には関係の無い他人(国)事のように考えているようです。私は今地球の反対側にいますが、例の法案を通した側も反対した側も、実は日本の安全保障についてあまり本気に考えていなかったんだなと思いました。

 

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