キューバは、旅行するのと生活するのでは大違いの国です。(その10)キューバでは相変わらず社会主義国の伝説を体験できます!

「キューバは、旅行するのと生活するのでは大違いの国です。」のシリーズも第10回目です。

今週末もキューバ的と言うか、社会主義国らしい風景をよく見かけました。金曜日の朝に出勤すると、いつも通るキューバの電信電話公社(ETECSA)の事務所の前に大行列ができていました。並んでいる人に聞くと、キューバ人向けの携帯電話の回線が数を限定して売り出されていて、皆さん何とか手に入れよう必死になっているそうです。皆さん、長時間待たされてイライラしている様子でした。キューバで携帯電話というと、大部分は日本で言うガラケー以下で、インターネットはほとんど使えず、電話とメールができる程度です。でも、最近は海外からiPhoneやギャラクシーなどのスマホも沢山持ち込まれている様子で、この状況は、キューバ人の所得が向上しつつあり、多くの人々が生活の質の向上を求めていることを物語っています。ちなみに、キューバの携帯電話の回線は、今回の売り出しを機に500万回線を超えたそうです。いつの間にか、成人人口の半分くらいの数の携帯電話が出回るようになりました。

こちらは、同じくETECAの事務所にあるインターネットのコーナーです。いつも行列ができています。中には、インターネットに接続できるPCが何台もあり、また、インターネットに接続するためのカードも売っています。料金は1時間で1CUC(ドル)です。月の給与が20ドルから30ドル程度のキューバでは法外な料金ですが、それでもグローバル化の流れに乗りたいキューバ人が沢山いるようです。劣悪なインターネット環境にも関わらず、こちらの記事のように、キューバには現状にメゲないユーチューバーもいます。(「アクセス制限も何のその、共産主義国キューバのユーチューバーたち」)

インターネットの普及によって外からの情報がどんどん入ってくると、キューバもかつての東ヨーロッパ諸国と同じ運命を辿る可能性もあります。

さて、こちらは土曜日の朝の様子です。いつも通り、セニョーラと自転車で買い出しに出かけると、キューバ人向けの小売店に長い列ができていました。様子を見ると、久しぶりに卵が売り出されていました。1カートンに30個入って33CUP(約150円)です。キューバでは卵は統制品です。まず、低価格による配給と外国人向けのホテル等が優先され、余った場合にこうした小売店で売られます。外国人向けのスーパーで売られることはほとんどありません。われわれ外国人が卵を手に入れるためには、運よくキューバ人向けの店で販売されているのを見つけて買うか、闇市場で何倍も払って買うしかありません。何れにしても、卵だけを買うのにも多くの時間と労力を要する国で生活するのは、キューバ人も外国人も大変です。

こちらは、同じく土曜日にハバナ市の郊外で見かけた光景です。地方行きの「トラックバス」に乗るために、多くの人が列をなしていました。エアコンも無く、座席も硬いこんな「バス」で長距離を旅行するのは相当しんどいと思いますが、キューバ人の忍耐力には感心します。

こちらは日曜日の午後の静かな街の光景です。セニョーラとベダード(Vedado)地区まで外出しましたが、30分以上待っても帰りのバスが来ないので、バス停は人で溢れています。キューバ人は、いつ来るか分からないバスを待つのに慣れているようです。

人々を生活を豊かにすることを目指すキューバの社会主義革命ですが、前途はまだまだ険しいと感じます。

 

よろしければ、こちらの記事もご覧ください。

キューバは、旅行するのと生活するのでは大違いの国です。(その7)キューバは社会主義国の「伝説」が体験できる国です!

 

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