キューバは、旅行するのと生活するのでは大違いの国です。(その7)キューバは社会主義国の「伝説」が体験できる国です!

20世紀に、社会主義国であったソ連や東欧の国々が崩壊した原因の一つは、計画経済体制の行き詰まりでした。現在では、アジアの中国など建前上は社会主義国の国でも、計画経済体制を維持している国はほとんど無く、社会主義市場経済体制というあのカール・マルクスが聞いたらびっくりするような国になっています。

現在地球上で、「物が無い」、「行列」、「働かない」というような、かつての社会主義計画経済体制の国の「伝説」が体験できる数少ない国の一つがキューバです。

キューバに来てから、週末は決まって物資調達のための買い出しをしていますが、真夏の日差しが照りつけるこの日もセニョーラと共に自転車に乗って出かけました。まず向かったのは肉を売っているこの店、何かいい品物が入ったらしく、朝から「行列」ができています。多分、買うまで30分以上かかるでしょう。

次に行った雑貨屋の棚はこの通り、悲しくなるほど「物が無い」ですが、洗濯洗剤があったので買いました。

店に店員はたくさんいますが、レジ担当のお兄さんは一人で誰も手伝わないので、長い「行列」ができています。国営企業の店員さんは、売れても売れなくても自分の給料は変わらないので、なるべく「働かない」ようにしています。

お隣のスーパーでは、珍しくビールと炭酸水があったのでまとめ買いです。ある時に買わないとすぐに無くなります。このスーパーも国営で、レジのおネイさんはいつも無愛想で怒ったような顔をしています。

リックと袋が一杯になりました。もうこれ以上は持てないので、一旦アパートに帰ることにしました。

缶ビール2ダースと飲料水を担ぐとさすがに重く、アラ還の体に応えます。

キューバでは生活に必要な物が一箇所で手に入りません。肉屋、雑貨屋、スーパーで買い物をした後は、一度アパートに物を置いて、今度は農畜産物市場に出かけました。

キューバの計画経済の例外として、農畜産物市場は、「労働インセンティブの導入」を目的とした(部分的な)自由化で活気があります。自分の働きと売り上げが直接収入に結びつくので、国営企業と比べて、従業員の方はずっと愛嬌と商売気があります。

ここでは定価原則の国営企業と違って、多少「おまけ」もしてくれます。

果物や野菜を袋に詰めて、またアパートに帰ります。それにしても、8月のキューバの日差しは強烈です。

午後からは、別のスーパーで牛乳や調味料を調達しました。お客の長い列をを見て、レジのおネイさんもため息をついていましたが、こちらも待つのと荷物を運ぶのがしんどくてため息が出ます。この日の自転車の走行距離は軽く10キロを超えています。荷物運びで筋力(無酸素)運動、自転車で有酸素運動と、キューバでの週末は体が鍛えられます。

こんな訳で、キューバでは、週末はこの世から消えつつある社会主義国の「伝説」を十分に楽しませてもらっています!

 

よろしければ、こちらの記事もご覧ください。

キューバは、旅行するのと生活するのでは大違いの国です。(その5)

 

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